Akira Higashi

服アレンジ工作あそび”アナフーク”の展示について

2023.03.21

服をアレンジする工作遊び”アナフーク”の作品を展示するにはどのような形がベストなのか?

大阪のenocoで開催される展覧会「こどもアート学科2022」(2023、3/21-4/2)では、私が講師を務めたワークショップの子どもたちの作品を展示しています(上の画像)。今回の展示では、子どもたちの作品を記録した写真とその服をマネキンに着付けしたものの2つの見せ方を同居させる方法を試しています。

アナフーク・ワークショップは全国各地で何度も開催していますが、基本的に活動中のアイデアや工夫、楽しむ姿勢とその体験自体が作品であり価値である、というスタンスで実施しています。ですが、やはり何か活動の証が欲しいでしょうし、持ち帰りできるものがあると嬉しいのは確かなので、毎回チェキで撮影をしてその写真をプレゼントしています。アナフークは服だけが作品なのではなく、子どもたち自身とその日に着ている服も含めて作品と呼べるものです。それを考えるとやはり写真での展示がベストです。チェキは画質が悪くても味になりますが、写真で見せるとなるとサイズや画質が問題になります。その辺りはまだまだ未熟であり、改善の余地ありです。

今回の実験として、子どもたちがアレンジした服を着たマネキンの展示を行っています。着付けは子どもたちの手によるものです。アナフークを楽しんだ後、「今着ている服をマネキンに着せてあげよう!」「さっきと違っても良いし、さらにアレンジしても良いよ。」と声かけします。しかし、自分で着るのとマネキンに着付けるのでは全く要領が違って難しいですし、マネキン自体がダンボールのペラペラな平面的なものなのでうまく着せられないことも。(マネキンに関しては私の好みでペラペラにしています。)本来のアナフークとは全く違った活動になってしまいます。以前小学校の依頼で子どもたちのアナフーク作品をマネキンに再現した際は、スタッフの大人が写真記録を見ながら着付けを行いました。しかし大人の手が入ることで、何かが遠ざかってしまうような感じがしました。そこで、今回は子どもたち自身に着付けを行ってもらうことに。たとえ少し変になっても作者の存在をは留めることができるのではないか?と考えてからです。結果、展示が賑やかになって良いのですが、やはり違うなあー、という印象です。

今回の展示ではマネキンをテグスで宙吊りにして床から数センチ浮かせています。こうすることで、観客の動きによって起こる風でマネキンがユラユラと回転します。人型なので何かギョッとする感じもあります。来場された方々に会場を歩き回ることを楽しんでもらうためのインスタレーションであるとともに、たとえ抜け殻であっても、子どもたちの手が加わっていることにより、子どもたちのエネルギーを新たに発するための装置でもあります。

アナフークの展示、また別の形でも試してみたいです。