Akira Higashi

手の冒険

2021.02.12

 

手がワクワクするというお話です。

ビリビリと紙を破る感触を楽しむ。ペタペタとのりを塗ってペタッと貼る。のりが手についたなあ。画用紙と折り紙の触り心地の違いを無意識に感じ取る。切り紙絵を作る工作では”手”というインターフェイスがフル回転しています。大人の方は絵を描いたり工作をすることに抵抗があるかもしれません。私は長年やっていないし、絵は苦手だし、などなど。何かしら恥ずかしいという思いが付きまとうようです。いわゆる”上手”にできないといけない、という思いがあるのでしょう。しかし、一度手を動かして作り出すと思いのほか制作が進むものです。手を動かすというよりは、手が動き出す、といったほうが良いでしょうか。子どもがドキドキしながら知らないことにチャレンジするのと同じです。

以前関わったワークショップの際、お孫さんに付き添って来られていた年輩のご夫婦に一緒に作ることを勧めたところ、最初は恥ずかしがって避けておられたのですが、思い切って制作を始められました。すると、お孫さんよりも没頭して時間制限も越えて楽しんでおられました。そしてとても嬉しそうに帰っていかれました。

工作は手を使った冒険のようなもので、手がワクワクするものなのです。このコラムコーナーでは、私が考案した工作などのプログラムも公開していきます。